ターナー症候群

ターナー症候群とは

ターナー症候群とはターナー症候群は女児に起こる先天性の染色体に関わる疾患で、染色体の異常にかかわるものですので、後天的に発症することはありません。様々な症状があらわれますが、そのあらわれかたや表面化する時期は、患者さんによって異なります。時には二次性徴の遅れによって発見されるケースもあります。

ターナー症候群の原因

ヒトの染色体は一般的には、22対44本の常染色体とXX(女性)またはXY(男性)という性染色体のペアが1つの23対46本で構成されています。ターナー症候群では、この女性の性染色体XXのどちらか1つの一部、または全部が欠落していることが主な原因で様々な症状があらわれるのですが、その他にもどちらか一方のXの遺伝子情報の欠失などの要素から起こることもあります。

ターナー症候群とクラインフェルター症候群

クラインフェルター症候群は男性の性染色体数の異常ですが、女性の性染色体数の異常によって起こるのがターナー症候群です。
ターナー症候群では通常の女性のXXという性染色体のどちらかのX染色体の一部欠損や全体欠落などによって、二次性徴が訪れない、低身長などの様々な症状が起こります。

クラインフェルター症候群

ターナー症候群の症状(特徴)

ターナー症候群のあるひとそれぞれで、症状や発症する時期が異なり、代表的な症状すべてがあらわれるものでもありません。

低身長

一般的な女児の出生時身長はおよそ49cmですが、ターナー症候群の女児はそれより約2cm身長が低い傾向があります。その後の発育でも身長の伸びは遅く、3歳ごろになるとはっきりと背が低い傾向があらわれてきて、140cmに満たない程度で身長の伸びが止まることが多いようです。

二次性徴が現れないことが多い

二次性徴とは、女性ホルモンや男性ホルモンによって、体つきや体毛、声などがそれぞれの性に応じて変化していくことです。平均的に女性は10~12歳ごろから体つきが丸みを帯び、乳房が膨らんだり、月経が始まったりしていき、以降5年ほどで成人女性になっていきます。これに対しターナー症候群のある女性はそういった性徴があらわれなかったり、あらわれても不完全だったりします。

身体的な特徴(見た目)

首の後方から肩にかけて皮膚が弛み、首から肩の形が翼のように見える翼状頸や、肘関節から先が身体の外側へ曲がっている外反肘、頭の後ろの生え際の位置が低い後方毛髪線低位、手足のむくみなど、外見上の変化があらわれやすくなっています。

知能

ターナー症候群のある女性は、ほとんどが知能的には正常であることが多く、言語表現などに優れています。一方、計算や図形などの空間認識が苦手なことがあります。また運動が若干苦手な傾向もあります。また、稀に欠失した遺伝子の関係で知的障害が起こるケースもあります。

ターナー症候群の合併症

ターナー症候群のある女性は以下の合併症を認める場合がありますが、多くの方は日常生活を過ごすことが十分に可能です。また、起こりやすい合併症を早期発見できれば、症状の出現や進行を食い止めることが可能な場合もあります。診断がついた時やその後の定期的な受診の時に、エコー検査や血液検査などをしていただくことが望まれます。

生まれつきの合併症

ターナー症候群のある女性は、約2割程度が先天的な疾患をもっています。なかでも多いのは心臓や大血管の問題です。大動脈の途中が狭くなっている大動脈縮窄、一般と形の異なる大動脈弁などが主なものです。また馬蹄腎など腎臓の奇形が生じることもあります。形態異常により、胎児エコーで発見可能なものもあります。

乳幼児期から小児期の合併症

ターナー症候群のある女児は中耳炎を起こしやすいことが知られています。しかも何度も繰りかえす反復性中耳炎から、慢性中耳炎になり、聴力に障害が出ることもありますので注意が必要です。

成人期の合併症

成人してからの合併症としては、肥満、糖尿病、骨粗鬆症、甲状腺のホルモン分泌異常(低下)などが挙げられます。それぞれの疾患に対する治療の他、ホルモン補充、生活習慣改善の指導などによって対応します。また合併症とは少しことなりますが、ほとんどのケースで不妊ですが、稀に妊娠して出産するケースもあります。

ターナー症候群の治療

ターナー症候群の染色体異常そのものは治すことができません。しかし、それに伴う主な症状に対しては、現在様々な治療法が研究されて、一般の人と変わらず生活ができるようになっています。
主な症状の一つである低身長に関しては成長ホルモンの投与、二次性徴に関しては女性ホルモンの投与でそれぞれの不足を補っていきます。
様々な合併症のうちでも、心臓、大動脈、腎臓などの内臓の形態異常や、外反肘などの見た目の異常に関しては外科手術で対応できる事が多くなっています。
また、肥満、糖尿病、骨粗鬆証といった生活習慣病に関しては、定期的な経過観察等で早期発見し適切な治療を行うとともに、食生活を含めた生活改善のための指導、運動療法などを採り入れて、予防対策も行います。
ターナー症候群の場合、ほとんどが不妊となりますが、自身の卵子凍結やドナーからの卵子提供などによって妊娠が可能になることもあります。

ターナー症候群の寿命

ターナー症候群がある場合、出生まで至らずに流産や死産になってしまうことも少なくありません。出生した場合には、重度の心疾患や大血管疾患を合併しているケースを除けば、一般の女性と比べて特に寿命が短いということはありません。ただし、合併症の管理が大切で、特に生活習慣病や骨粗鬆症のコントロールが大切です。

ターナー症候群が
生まれる確率

ターナー症候群のある胎児の99%は流産に至るとされます。
生まれてくる女児の2500人に1人程度がターナー症候群であるとの統計があります。ターナー症候群であっても、中には更年期を迎えるまで何らの症状があらわれないケースもあり、ある程度の成長後になって見つかるケースも含めると、その分でも確率がもう少し高くなると考えられています。
また、実際は原因不明で流産に至った妊娠の中にターナー症候群のある胎児も含まれており、おなかの赤ちゃんで考えると頻度はさらには高いことが予想されます。

ターナー症候群は遺伝するか

染色体の異常、遺伝子の異常などと言うと、遺伝的要素について心配になるかもしれません。しかし、ターナー症候群は、そのお子さんで初めて染色体に異常に起こるため、両親からの遺伝によって起こる症候群ではありません。そのため、ターナー症候群のある胎児を妊娠/お子さんを出産されたカップルの場合、次回以降の妊娠で胎児にターナー症候群を認める可能性は、基本的には一般と同程度と考えます。

ターナー症候群とNIPT

出生前検査認証制度等運営委員会の規定では、出生前の遺伝子検査であるNIPT(新型出生前診断)の対象はダウン症候群(21トリソミー)、エドワーズ症候群(18トリソミー)、パトウ症候群(13トリソミー)のみとされています。しかし、ターナー症候群も対象としたNIPTを提供する非認証施設もあります。NIPTを受ける前に、ターナー症候群についてさらに知っておきたい場合には、当院の遺伝カウンセリングをご利用いただくことも可能です。

遺伝カウンセリング

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